シクラメンを飾る
シクラメンは、その花びらが
くるんと反り返る姿から、
和名で「カガリビバナ(篝火花)」
とも呼ばれています。
冬の夜に焚かれる篝火の炎のように、
あたたかく揺れる花姿が
人々の心を惹きつけます。
寒い季節にそっと灯りをともすように、
ご家庭に彩りを添えてくれるお花です。
大栄花園/千葉
育種家 高橋康弘さんが作る
高品質なシクラメン
千葉県成田市、成田空港に近いハウスで、今までにない花色や姿形を持つ高品質な花々を生み出し国内外でも高く評価されているのが、育種家高橋康弘さんです。
今回ご用意いただいた『胡蝶』は、高橋さんのお父様が生み出され、今や世界中で品種改良に使われている『パピヨン』が元になっています。
『胡蝶』は『パピヨン』の最大の特徴である、白い覆輪が入る性質を継いでいるんだそう。是非、花色をじっくりと観察してみて下さい。
育種に対するこだわりとして、「追う側よりも、追われている方が好きなんです」と語る高橋さん。常に流行や誰かの品種を追うのではなく、自分の考えのもと、新しいものを作り出す。それが、高橋さんにとって一番良い育種のスタイルなんだと感じました。

高橋さんが目指すシクラメンの未来
高橋さんにお話を伺っていく中で、シクラメンの今後について語ってくださった想いも印象的でした。
「シクラメンを若い人にも手に取ってもらえるよう、もっとカジュアルなものを作りたい。その為にも、小さくシクラメンぽくないシクラメンや、可愛らしいシクラメン、長もちするシクラメンなど様々なシクラメンを育種していきたい。」 数年後、どのようなシクラメンが誕生しているのか私たちもワクワクします。高嶺の花ではなく、より手に取りやすく、日常に溶け込むシクラメンを目指す高橋さんの今後の育種にも目が離せません。

高橋さんおススメの飾り方
「シクラメンは花一輪でも可愛らしいので、鉢花が沢山咲いたら是非切り花としても楽しんでみて欲しいです。」
一種類でも可愛いですが、何種類かのシクラメンをミックスして飾るのも素敵ですよね。
2~3日に1回ペースでお水を換えれば2週間以上長持ちし、置き場所を選ばないので寝室や洗面所など、鉢を置けない場所でも飾れるのも嬉しいです。
一鉢でいろいろな楽しみ方ができるのもシクラメンの魅力です。
※写真は大栄花園のシクラメンではありません。


高橋さんからの
メッセージ
冬の鮮やかなお花なので家族みんなが集まるところで鑑賞してもらいたいです。シクラメンは光と風(風通し)が必要な植物なので、人間が寝るときは、シクラメンも雨が当たらない軒下など涼しいところで休ませてあげてくださいね。
根本園芸/福島
根本雄二さんが作る特別なシクラメン
根本園芸は、東北地方の太平洋側に位置し、比較的温暖な気候に恵まれた地で花作りを行なっています。先代から数えて50年以上、現在は二代目として根本雄二さんが、シクラメンを中心に栽培しています。
根本園芸のこだわりは、大量生産ではなく、一鉢一鉢に目を配り、誠実に手をかけることだそう。 暮らしに寄り添い、飾る方の心を和ませる存在でありたいという根本さんの想いが詰まったシクラメンをご紹介します。

シクラメンができるまで
シクラメンは、種を蒔いてから出荷まで一年という長い時間をかけて育てられます。夏を越えた後から始まる「葉組み」という工程は特に大切だと語る根本さん。
葉一枚一枚を丁寧に整え、株の中心に光が届くようリングを入れることで、葉が増え、花芽も充実します。 葉の数と花芽の数は比例すると言われ、手間を惜しまない葉組みによって花の美しさが決まるのです。 気候や品種によって求められる管理は異なり、同じ年は一度としてないので、その都度、試行錯誤を繰り返しながら積み重ねられた手仕事こそが、根本園芸のシクラメンの確かな品質を支えているのですね。

偶然が生んだ奇跡のシクラメン
実は、今回販売しているラピスラズリは、偶然誕生した奇跡の品種なんだそう。赤いシクラメンから突然変異で生まれた、澄んだ青のシクラメン。
「本来なら色素が違う“外れ株”として、植えられることもなく終わっていたはずなんです。たまたま自分が気になって残しておいたものが、こうして形になった。 しかも、その後は同じような突然変異は一度も出てこない。本当に不思議な巡り合わせだと思います。 丁寧に積み重ねた日々の中で、思いがけず生まれたこの品種は、根本園芸の誇りです。」
名前は12月の誕生石から名付けられ、冬の花として特別な存在感を放っています。偶然の中に宿る強さと美しさを是非ご自宅でお楽しみください。


根本さんからの
メッセージ
年末年始の特別な時期を彩り、日常に潤いをもたらしてくれる一鉢。どうぞお正月のお飾りとしても、根本園芸のシクラメンを迎えていただければ幸いです!
シクラメンの品種紹介

シクラメン「ジックスワインレッド」
花弁と白い萼(がく)とのコントラストが印象的です。
深みあるワインレッドがシックで、一味違ったシクラメンを楽しみたい方にとてもおススメです。
連続開花性に優れているため、次々と花が咲き、花もちがよく、観賞期間が長いのも嬉しいポイントです。

シクラメン「フュージョンラージ ネオピンク」
花弁の先端が鮮やかなピンクで、中心に向かって白くなるツートンカラーが特徴的なシクラメンです。
豪華な大輪の花を咲かせるタイプなので、たくさん花が咲いてきたら、数本カットしてコップなどにいけても可愛いです。

シクラメン「シュトラウス」
濃い緑色の葉と赤色の花の鮮やかなコントラストが特徴で、冬の定番のギフトとして不動の人気がある品種です。
存在感のある大輪の花を咲かせ、次々と花が咲くので初めて育てる方でも難しくなく、長く楽しむことができますよ。

シクラメン「イリュージア」
次々と上向きに花が咲き、株を覆いつくすほど豪華に花が咲き誇る幻想的なシクラメン。柔らかいピンク色が、見る人の心を安らげてくれます。
根本園芸で丹精込めて育てられたシクラメン。
自信を持ってお勧めします!

シクラメン「胡蝶」
大栄花園の「胡蝶」は毎年すぐに完売してしまうほど人気の高い品種です。
育種をするなら、海外に広めたいという高橋さんの想いから、日本らしさを表現したくて、「胡蝶」と名づけられました。
青みがかった紫色の花弁が神秘的でとても美しく、花弁に入った白い刷毛目模様が、まるで蝶が舞っているようです。

シクラメン「ラピスラズリ」
根本園芸が手掛けるオリジナルの青色系シクラメン。
宝石のラピスラズリのような美しい瑠璃色をしており、花持ちが良く、バランスの取れた株姿が特徴です。
宝石としてのラピスラズリは、12月の誕生石でもあり、ストレスや不安を感じるときの癒しの石としても知られています。