誰もが憧れる花と緑に囲まれた生活。「今年こそは自分も育ててみたい」と思う方もいるでしょう。園芸初心者の方は市販の苗からの栽培が好ましいと言われます。しかし、育てやすい種類を選び、生育のポイントを押さえることによって、種から育てることも十分可能です。そこで、今回は園芸初心者におすすめの種から育てる花と種まきの時期や方法をご紹介します。この内容を参考に、種から育てるガーデニングの楽しさを体験しましょう。
小学校時代にアサガオを育てた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。アサガオは、園芸初心者の方も育てやすい植物です。
種皮の硬いアサガオの種は、自家採種した種の場合一晩水につけるか、ヤスリなどで軽く種皮を削っておく必要があります。市販されている種の場合、大半はすでに硬実処理が行われているため、この作業は不要です。アサガオの種まき時期は、5月中旬~下旬です。約1~2㎝の深さの穴を開けて種をまきましょう。
アサガオは、日当たりの良い場所で育てます。特に午前中はしっかりと日光を当ててください。夜間に照明が当たると花が咲きにくくなるため注意しましょう。種をまいた後はたっぷりと水をやり、発芽までは表土が乾かないようにします。発芽から開花までは、やや控えめに水を与えましょう。10日に1回ほど、窒素分が少ない液体肥料を与えると効果的です。ツルが伸びてきたら、支柱やネットに誘引します。
開花後は水をたっぷり与えることにより、花を長く楽しむことができます。8月以降は肥料を与えないようにしてください。
夏の風物詩ヒマワリは、草丈30㎝程度のミニヒマワリから、3mを超える大型のもの、八重咲きのものなど、さまざまな品種があります。どの品種も育てやすいため、人気があります。
ヒマワリは5月中旬~下旬が種まき時期です。約1~2㎝の深さの穴を開けて種を2~3粒まき、発芽後双葉が開いたら、1本に間引いて育てましょう。
ヒマワリは比較的暑さに強い一方、加湿に弱い特徴があります。水やりは土が乾いたらたっぷりと行ってください。1週間に1度、水の代わりに薄めた液体肥料を与えると、大輪の花を咲かせやすくなります。背丈の高い品種の場合、成長に応じて支柱を立てましょう。
カレンデュラとも呼ばれるキンセンカは、品種も多く、切り花をはじめ薬用や料理の着色料としてもよく利用されます。秋に種をまくと冬に花を楽しむことができます。
キンセンカの種を春にまく場合は3月中旬~5月下旬ごろ、秋の場合は9月~10月ごろにまくと良いでしょう。種が重ならないようにまき、5mmほど土をかぶせます。本葉が2~3枚になった段階で、間引きしてください。
キンセンカは日当たりの良い場所を好みます。耐寒性はありますが、霜がつくと枯れる可能性があるため注意しましょう。心配な場合は新聞紙やシートをかけて、防寒してください。水は地面が乾いてからたっぷりと与えます。
ニチニチソウは初夏から秋にかけて花を咲かせるため、真夏の花が少なくなる時期には非常に重宝されます。風車咲きや八重咲きの種類もあり、いずれも土壌を選ばず、乾燥に強い性質があります。
ニチニチソウは5月中旬~6月上旬ごろに種をまくと良いでしょう。種を1ヶ所に3粒ほどまき、5 mmほど土をかけます。ニチニチソウは直根性で移植を嫌います。育てたい植木鉢に直接種をまいてください。また、種に光を当てると発芽を阻害するため、種をまいた後は日陰に置き、乾燥させないようにしましょう。
苗の葉が8枚以上になったら芽をハサミで切って、脇芽を出させる「摘芯」を行ってください。摘芯をすることにより、株を大きくすることができます。
今回は、園芸初心者の方にもおすすめできる、種から育てる花の育て方についてご紹介しました。「花にも相性がある。上手にお付き合いできたときは、その関係を大事にして。もし失敗しても諦めず、失敗から学びながら歩み寄り続けることが大事」これはある園芸家が語った、植物との付き合い方の秘訣です。自分と相性の良い花を見つけ、自分なりの付き合い方を見つけましょう。